INNER LIFESTYLE DESIGN
 〜ナチュラルに生きる方法論序説
子どものしつけ、叱り方
 裁縫にしつけ糸、しつけ針というのがありますね。
しつけとは、本格的に縫って止めるまで、仮に固定しておくことです。

子どものしつけも同じです。
押さえておかなくてはいけない要点だけをしっかり固定するのです。
子どもに「しつけぇ」(シャレです)と言われるくらい同じことだけを言い続けなければいけません。

これはどちらかというと、父親の役割かもしれません。
「他人様に迷惑をかけるな」とか「嘘をつくな」とか、昔の人はとても単純なことだけを厳しくいいました。
その他のことは、忙しくて言うヒマがなかった、というのが昔の父親のイメージです。

細かいことを言わない替わりに、父親は先の長いことをぼんやり見ている。
少しくらい成績が上がった下がったよりも、きちんと挨拶ができるとか、嘘や隠し事が少ないことのほうが、人生のいろいろな局面で大事なことがあると知っているのです。

お母さんのほうは、接近戦ですから、そんなに鷹揚にかまえてていいのか、と思います。
だから「たまにはお父さんから言ってやってくださいよ」と言っても、お父さんはそんなに力が入りません。
全然違うことを話したりします。

父親まで、母親といっしょになって細かいことを気にしだしたら、子どもにとっては、逃げ場がない地獄になってしまいます。

父親は時間軸に沿って、未来のことを考え、今のことについてはぼんやりしている。
母親は空間軸に沿って、今のことで一生懸命、というのが、わりと一般的なパターンです。

男女差別をするつもりはありませんが、やはり観察すると、性質と役割が違います。
もちろん、父母が入れ替わってもかまいません。
でも、両方が同じタイプなのは、よくないのです。

警察の取り調べでも、厳しい刑事が締め上げたあと、人情派がほろりとさせる、といいますね。
そういう役割分担は意識したほうがいいでしょう。
父親がやさしければ、母親は少し締めても大丈夫。
父親が厳しければ、母親は緩和させてやらなくてはいけません。

あと、叱り方ですが、間髪を入れずに叱る、ということが大切です。
ある人から教わったのですが、犬が悪さをしたら、その瞬間に叩かないと、1秒経つともうなぜ叩かれたのか因果関係がわからないそうです。
犬を引き合いに出して悪いですけれども、人もそうです。
電線に触ってビリビリっとしたら、もうそれには触らないでおこうと思うでしょう。

親というのもそれでいいのです。
領域をはみ出したら、気合いよく瞬発的に怒る。
そうすると、子どもは「この生き物は、こういうことをすると怒るから気をつけよう」と学習するのです。

頭で考えた説教をするのは、間に合いません。
頭の中で「どう言おうか」、と考えている間に子どもの意識は別のところに行ってしまいます。
いかに理屈の通った説教をしても、子どもには入っていかないのです。
それよりは感情がぱっと動いた速度のほうが子どもにすぱんと入る。

頭で考えるのがよくないもう一つの点は、一貫性がなくなることです。
人が何で怒るか、というのはだいたい決まっていて、子どもはそれをやがて把握します。
しかし、親がたとえば、教育学者の話を聞いて実践して1週間くらいで飽きてしまったりすると子どもは混乱します。
もっと悪いのは、親のそのときどきの都合で、毎回理屈を言って子どもを従わせようとすることです。
子どもは、言葉で上手に反論はできませんが、本質は見抜いているので、従いません。

それで「子どもがいうことを聞かない」というのは、自分の都合に合わない、ということを言っている場合が多いのです。
「ああしなさい、こうしなさい」も乱発すれば、効果が落ちるのは仕方ありません。
「ああしなさい、こうしなさい」をなるべく言わないで、子どもと上手に共存するのが、賢い母親ということになるでしょう。

子どもを叩くのはどうか、という話がありました。
あまりよくはないです。
人の身体は叩かれるようにできていません。

しかし、瞬発力で、言葉でいっても聞かない、思わず軽く手がでてしまった、というのは、昔からあることです。そういうのは、親が加減を知っていれば、ありうる範囲でしょう。
子どもがそのあと、けろっとしているようなら大丈夫です。

考えて「教育的」に打つのは、かなりよくないです。
親が子どもを裁いていることになるわけですからね。
よほどしっかりした考えがなければすべきではないけれども、ぶたなくてはいけない時点で、すでにあまり親として優秀とは言えない気がします。

しつけ、というのは大事なことに絞ること。
親は怒りをすぐそのときに表したほうがいいこと。
しかし、怒って伝わったら、さっと切り替えること。

そんなことが大切です。

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Comment








仕付け糸、綺麗に縫うために、失敗したと思ったら、何度でもしつけ直すことができます。

ひと手間がかかりますが、子育ても、そういう出来上がったときには見えない、工程がとっても大切なんですね。

時に、父親役時に母親役、私はひとり2役演じることも多いなぁと思っています。

母親役の時の私はやっぱりくどくど言ってしまいます。

こうであらねば…・と思うと人間は必死になってしまいますね。

村松さんの言葉を拝見していると、肩の力が抜けて、こうありたいと前向きに思えます。

村松さんをぐったりさせていると思うと申し訳ないのですが、ついつい、毎日の更新を期待している私です。
from. kind / 2009/09/14 12:00 AM
コウさん

素の感情で対するほうが、子どもも安心します。
皆さんかが体験、実感を寄せてくれることで、理解に厚みが出てきますね!
from. 村松恒平 / 2009/09/13 10:39 AM
「ぼんやり」ってのがポイントですよね。
それに子供って五感を超えたところで感応しますから、大人が「素」の感情で条件反射的にしたことの方が心に刻まれるように思います(体験的にです)。
この場もどんどん面白くなっていますね^^
from. コウ / 2009/09/13 8:48 AM
Kさん

父親が子どもを自分と同じ私立に入れたい、というのは、それなりの思いがあるでしょうから、私はいちがいに否定しません。

早期教育にも、お受験総体にも私はおよそ批判的ですが、では、私立学校はみんなツブれてしまえ、とも思っていないので。

それぞれの家庭の選択があるでしょう。
ただ入れなかったときに、子どもがどう感じるか、とか、心配にはなります。

競争には必ず負ける人がいますからね。

from. 村松恒平 / 2009/09/12 9:44 PM
>おおっ!2位になってます!!

けっこうデッドヒートですね。
めざせ1位!
from. 村松恒平 / 2009/09/12 9:29 PM
息子が来春、小学校に入ります。
私たちの地区は
公立・国立大付属小学校・私立の一貫校と選べる場所なので、
周囲はにわか「お受験モード」になっています。

一番驚いたのは、母親が熱心ではなく、父親が熱心という点です。
話を聞いてみると、父親たちも私立小学校出だそうです。やはり、自分と同じ道を歩ませたいと思うのは、いつの時代でも同じなのかもしれません。

「将来を見すえる父親」というのが少しずつ消えてきているのかもしれません。
「草食男子」ならぬ「草食父親」?
from. K / 2009/09/12 8:21 PM
おおっ!2位になってます!!
from. / 2009/09/12 7:55 PM
面白いお父さんですねえ。

鏡と靴には、とてもシンボリックな意味があると思います。

鏡は心を映すもので、靴は現実生活です。
神道のご神体は鏡だし、商人は足もとを見ます。

そういうしつけを考えてしたのか、直観的なものだったのか。……たぶん、神道に造詣があったのでしょうか。

椅子を戻すことも十分にいいですけど、お父上に比べると、ちょっと小粒かもしれません(笑)。
from. 村松恒平 / 2009/09/12 6:47 PM
私が父親にしつけぇくらい言われたことは
「鏡を磨きなさい。自分の心を映すものだから綺麗にしてないと、そのうち心も汚れていくよ」

「出掛ける前に(あるいは帰ってから)靴を磨きなさい。自分を守ってくれて有難う…という気持ちでな」でした。

10年前に亡くなりましたが
今でも毎朝鏡を見るたび父の言葉を思い出し、次の瞬間、慌ててタオルできゅっきゅと磨きます。

出掛ける前に靴を見るときも同じです。

死んでも尚 私の中に響いてくる声…親の存在は圧倒的なものだったんだなぁ、と今更ながら驚いてます。

磨く、ということにこだわっていた父の言葉を、大人になった私は“人格を磨く”とか“品格を磨く”ということに置き換えて心に留めています。

今、子育てをする側にまわった私は
「引いた椅子は 戻すこと」と「脱いだ靴を揃えること」を しつけぇくらいに言ってます。

自分のしたことは 自分で片を付けるのよ、とでも言いたいのでしょうか(笑)

当たり前のことを、何度も何度も、繰り返し言い続けることが“しつけ”の基本なんですね。

一度言っただけで定着するような、そんな簡単なものでは無いことを、日々実感中です。
from. TOKO / 2009/09/12 5:52 PM
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