INNER LIFESTYLE DESIGN
 〜ナチュラルに生きる方法論序説
「バリ日記」はじめました
10日ほどバリのウブドに来ています。理由は微妙なニュアンスを伝えようとすると長くなります。
ニュアンスを飛ばして簡単にいえば、日本という国の構造がつくづくイヤになったが、外国で暮らすというのはどうなのだろう? という実験です。僕自身が異国に一人でいたら何を感じるか、という実験です。

バックパッカーのような旅慣れた人には実験の名に値しないと思いますが、そもそも僕は一人旅というものをしたことがない人だったのです。
喜びをわかちあったり語り合ったりしないとつまらないよね。
でも、3.11が重い腰をあげる理由になったということです。

毎日、刺激的な体験があるし、日本語を使わないと精神の平衡を欠きそうなので、バリ日記を書くことにしました。ツイッター用に分かち書きをしていたのですが、今、通信環境がよくないので、バラでアップするのが面倒になってしまいました。
だから、ここにあげます。

3.11以降の読者の方は、あるいは「なんだ、反原発はどうした?」と思うかもしれませんが、このブログには、3.11以前も膨大な量の心に関する文章を書いています。
もともと反原発用のブログではないのです。
ただ緊急のテーマとして集中して取り上げていただけです。

今は多くの人が反原発について独自の意見を発表しています。
僕が言わなければ誰も言わないことを見つけたら、すぐにまた書くでしょう。
他の人に同意なことはここに書きません。

僕の心の中では、原発も生活も哲学も芸術も宗教も「別々の部屋」ではありません。
心というどこまでも広い一つの部屋をシェアしているのです。
それを別々の部屋に入れてしまうことが、ものごとに決して解決をもたらさない体勢を作ります。
それは官僚主義のセクショナリズムをみればわかることです。「ここから先は××の領域ではない」と事態を切り刻むことによって、事柄の本質は見失われていきます。
心の中にもそれと同じようなセクションを僕らは作り出しやすいのです。

……ああ、日記を書きたいのにどんどん長くなってしまう。
僕の反原発についての文章を読みたい方は、単行本『不安であることの正しさについて』をどうぞ。ここにほとんど根幹部分は書いてあります。
改めて読むと発見があると思いますよ。

さて、日記。ツィッター用に書いたので読みにくい部分は勘弁してください。

【バリ日記】



ウブド●新しい部屋●今日ロスメンの中で移動した部屋は一階で、前の部屋とどちらがいいとも言えない、と評価していたら、隣の声が丸聞こえ。隣のカップルが帰ってくると、まるでフランス語教室のようであった。
たぶん二つの部屋を隔てるのは、竹で編んだ薄い壁が二枚あるだけだ。

ウブド●そのうち AH! OH! と始まってしまったらどうしよう(期待と警戒)と思ったが、昨夜はそれはなかった。しかし、こちらの音も筒抜けである。なんとなく気を使う

ウブド●鶏は早朝に鳴くし、声のでかい鳥(たぶんカッコウ)が至近距離で夜中に鳴く。

ウブド●ホットシャワーが出ないのも前の部屋と同じ(言えばでるのかもしれない)。ここは朝食付き2000円弱の宿である。たぶんこれが水準だろう。同じ価格で、もっといい宿も悪い宿もあるだろう

ウブド●宿の状況にいちいち不満を覚えていたら、たいへんな葛藤を抱えることになるだろう。僕は自分の要求水準を価格にスライドさせる。神経質な人はそれなりの宿泊費を払ったほうがいい

ウブド●そもそもウブド・ドリームという評判のいいロスメンを予約したのである。そしたら、スケジュールの前半は埋まっているから、近くのいとこの宿を紹介する、となったのだ。後半は3500円、その差に期待している

ウブド●ロスメン●ロスメン、民宿、ベッドアンドブレックファスト。
バックパッカーや通は、部屋を見せてもらって交渉するというが、気に入らなかったとき断るのが心理的にも物理的にも面倒なので僕は当面ネットに頼る

ウブド●ジェゴク●昨日はジェゴクというバンブーガムランのショーを観た。統制がとれて、モダンなアレンジもあり、とてもよかった。一人で来た日本女性も感激してブログに書くと言っていた

ウブド●ジェゴクは、インフォメーション・センターというところからトランスポートの車が出る。北へ2.5キロほどの村で行われる。パンフをくれてそれがチケットだというから金を払う。入場のときパンフの端をチョキンと切った

ウブド●帰りも送ってくれるのか心配だったが大丈夫だった。日本語のうまい日本に詳しいドライバーだった。放射能の話になり、僕らが生きている間には解決しない、ということを知っていた

ウブド●そういえば、ジェゴクは客の日本人比率が七、八割。案内も日本語のものがある。
竹というものへの親密度、共感度が高いのだろう。音楽にも『島唄』が出て来た。あまり迎合されすぎても僕はうれしくはない。

ウブド●いま(送信はリアルタイムではない)、宿の主人がかわいい赤ん坊を抱いて来てグッドモーニング。ホットシャワーが出ないといったら、ニコニコしてモーロンガーといった。出しっ放しにすればいいらしい

バリ絵画●バリ絵画の最良の部分、特長は細密画にある。最初にバリに来たとき、絵画の細部へのあまりの時間とエネルギーの蕩尽ぶりに思わず数万円の絵を買ってしまった。密林の中の滝の絵だ。金を出して絵を買った最初であった

バリ絵画●細密な部分へのひたすらな没入。画家の個性はそこを通り抜けてじんわり伝わってくればいいのだな、悪いけど。自分を個性的に差別化しようなんて芸術は別にバリでなくてもいいんだ

バリ絵画●ギャラリーの売り絵を見ていると、細密派は後退している。そして、ガイド本でもいろいろな流れに分類されている。ボブ・マーリィやマイケル・ジャクソンの肖像など典型的な売り絵だ

バリ絵画●細密画の流れのものも僕が買った十数年前より格段に細密度が落ちている。バリは信仰や芸術に激しく時間とエネルギーを捨てることによって楽園である、というのが僕の持論だが、西洋の時間が少しずつ流れ込んでいるのだろう

バリ絵画●たぶん、観光客に媚びていくうちに、画風はますます通俗化していくだろう。そして、通俗化に流れないものは芸術化していくだろう。僕の好きな職人仕事のような細密画は細々としていく気がする。

バリ絵画●あるいは細密画は、ヒロ・ヤマガタのようになるだろう

バリ絵画●朝飯前に水彩を一枚描いた。もちろん僕のことだから細密画ではない。水彩は何十年ぶり。水彩にしたのは、アクリルよりコンパクトだから。

バリ絵画●バリの庭はよく見ると植物だらけで、絵を描いていると植物の背後にまた植物というようにみっしりと植物だらけになってしまう。濃密な生命の気配が漂う

ウブド宿●朝。隣のフランス男性は小皿叩いてちゃんちきおけさやら、指を鳴らすやら、口笛を吹くやらにぎやかだ。そして、隣には九時に来たブレックファストが四十分になっても来ないので、忘れてない? と言ったら「イエス」だって。ソーリーとかはないな、ここには。

ウブド●勘定は、チェックよりbillのほうがいいみたい。チェックというとビル?と返される

ウブド●free wifiと書いてあったレストラン・バーで、注文したあと、ネットが昨日から調子が悪いと不通。日本だったら大クレームだろうが、バリではソーリーはない。しかし、食い物はうまいな

ウブド●ネットワーカーは1000円くらい高くても、wifiつきの宿を条件にすべきだ。店の選択や行動が制約されるし、余計なビールや酒や食べ物をついとってしまう。結局金かかるし不健康。wifiつきの宿なら基本的に他のサービスや設備もいいはず

昨夜は伝統のある評価の高いグループによるバリダンス。紫の衣装の女性ダンサーが見事だった。

女性のバリダンスは、目(ギョロ目を向いて左右に動かす)、首(平行移動したり軽くかしげられたりする)、肩(ぷるぷると震わせたり)、手(指先まで使い倒す)、腰(細くくねってセクシー)、膝(中腰多い)といったところが連動する。
連動するといっても、日常の動作ではありえない舞踊の規律の中での連動である。いわば日常の惰性をズタズタに切り裂いて再構成する。
子どもの頃が習い始めるらしいが、それぞれ癖や動かす部分に得意不得意があるのがわかる。

昨日の女性ダンサーは天才であった。

よいダンサーはガムランとも連動する。ブレークする場面では、激しい動作もぴたりと止まる。どういう申し合わせが知らないが、ダンサーのほうがガムランをリードしているように見える場面もある。
こういう呼吸がぴたりと合うと、ダンスとしては最高の瞬間になる

そういう瞬間のために観に行くのかもしれない。

僕はバリダンスがワクワクするほど好きかというと、そうでもない。ただ7時半に始まり9時前に終わるというスケジュールを一日に組み込んでおくと、残りの組み立てを考えやすい。
それがないとバリに一人でいることは、あまりに無為すぎて、茫然としてしまうだろう。
そういうわけで、毎晩観る。入場料はだいたい800円くらい。
主だった舞踏グループは今回ほとんど観てしまうことになるだろう。

今夜はリタ・デゥィという若い女性がリーダーのモダンアレンジのものを観に行く。内容は trance culture と書いてあるので期待。会場最も近い。歩いてすぐだ。
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そういえば僕も、はじめて絵を買ったのはウブドでした。
やっぱり十数年前。

ビンタンの大ビン飲みつつレストランの窓から見おろした、雨上がりの萌えるような緑の山と田んぼと川のそれこそ絵のような美しい景色と風鈴の音がフラッシュバック。

また行かなくっちゃ!
from. Mr.Spice / 2011/11/08 8:47 PM
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