「心が大事の会」というのは、一体何をやっているんだろう? と疑問に思っている方は多いと思います。
多いよね?
僕だったら絶対に疑問に思うもの。
そこで、今回は3人のレポートによって、その秘密を公開します。
(たまたま男性のレポートが集まりましたが、女性参加者も4割程度います)。
秘密といっても、別に隠しているわけではないのですが、こうして公開しないと結果的に隠れてしまうのですね。
「えー、なんかわからないけど、面白そう!」と新たに参加される方をもちろん期待しています!
よろしくね!
次回は2月17日。
http://kokorogadaiji.jugem.jp/?eid=200
●20代男性のレポート
「1.30ドルのゲーム。
これは「相手が買いたくなるような言葉を考えて、売り込む」というゲームです。場に居合わせた全てのメンバーが、売り手であり、買い手です。「断るときも理由を言わなくていい」というルールなので、「どうでしょうか?」「買います」「ごめんさい」という感じで、テンポ良く取引(?)が行われます。
普段の顔を知らない相手、ただそこに居合わせただけの人を相手に、「その人の喜びそうな言葉を贈る」というのは、やっかいな状況です。性別、年齢、職種、みんなバラバラなわけで、とりつく島もないと言えます。黙って考え込んでしまうと、文無しになるので、売らないわけにもいかないのですが。
最初は少し勇気がいりました。でも、やっているうちに慣れるものです。緊張していっぱいいっぱいでなくなると、「売れる法則ってなんだろう」とか「あの人の買う傾向は」と、分析する余裕も出てくるくらいです(しかし、そういうこと考えだすと、ぱったり売れなくなる不思議)。
このシンプルなゲームから、いくらでも「言葉の法則(仮)」を作り上げられます。「相手が売りこんできた言葉はヒントにできるかも」「自分と考え方が近そうな人が案外と買ってくれない」「シンプルに書けばいいのに、つい余計な言葉をつけ加えがち」「素直が一番難しい」など。やっぱり仮説でしかなくて、次の機会には全然通用しなかったりするので、考えるのは無駄なような気もします(でも、考えちゃう)。
頭で言葉をつないで組み立てるのではなく、感じたことをダイレクトに書く。これが個人的には泣き所なので、毎回とても勉強になります。
2.ワールドカフェ方式のディスカッション。
一つのテーマを元に、数人のグループで話し合います。この方式の良いところは、「グループに一つだけある石を、いま掴んでいる人が発言できる」というルールを取っていることです。つまり、石を持っている人の話を、他の参加者は最後まで黙って聞くというのが、約束ごとなんですね。石がテーブルに戻されたら、次の人がまたそれを取って、自分の考えたことを喋る。
このようなやり方なので、議論が白熱することは、まずありません。終始、静かに進行します(笑いは時々起こりますが)。自然と「ずっと黙っている」という人は出ません。たいてい何か発言します。参加してみれば、特に怖いことでもないと分かります。「たとえばこんな切り口がありますよ」という村松さんからのヒントもありますから、一人で漠然と考え込むより糸口を掴みやすい。なにより、誰もがちょっと自信なさげな手探り状態なのが良い感じです。「心」というのは言葉だけで掴みきれなくて、「正解」は誰も分かっていない。このディスカッションは、いいこと言った人が勝ちとか、お互いを切磋琢磨する、といった競争の場ではありません。
にもかかわらず、みな真剣です。「本当のところ、これ(議題は毎回変わります)はどういうものなんだろう」という疑問への回答(大げさに言えば真理)を掴むために、協力してアイデアを出し合っている、そんな「共同探求」をする雰囲気です。
人数が多ければ、グループの人をシャッフルして別の人と話し合います。時間が来たら、村松さんから板書をまじえた丁寧なコメント(これが深い)があって、ディスカッションは終わります。
3.マンダラ。
マンダラは、石(村松さんが拾ってきたもの)でアート作品を作る遊びです。新年第一回は、参加者めいめいが一枚の紙と複数の石を持ち、それぞれを配置して「何かに見立てる」というシンプルなゲームになりました。過去には、参加者全員で机いっぱい使って、立体宇宙(?)を作ったこともあります。
つるつるてんの人工物を組み合わせるのではなく、石という自然物を使うところがミソだと思います。じっと見つめると、言葉では簡単に置き換えられないような複雑なものだと分かります。「石っころは石っころじゃないか」と言ってしまえばそれまでですが、こちらが意味を与えようとすると、なんでも吸収してくれるような生き生きした存在感が、石にはあります(無機物ですけど)。
「よりいい作品を作ろう」と考え出すと、さまざまな視点(色、大きさ、形、距離、座標、向き、その他いくらでも)が見つかって、いろいろいじってしまいます。いろんな可能性の中から「これだ」というものを作ったのに、隣の人は自分が考えもしなかったものを作っていた、ということもあります。なにが凄いというわけでもないのに、ほんのり新鮮な驚きがあります。好きな人は本当にハマってしまうようです。
注意深く働きかければ、日常もつるつるてんになってしまうことはないんだ、と僕は勇気づけられました。」
●40代男性のレポート
「定番の30ドルゲームは、いつも新鮮に参加できるというか、新鮮にならざるを得ない感じです。なぜかちっとも「慣れた」気がしません(笑)。考えないのがコツだという意見が出ましたが、まさにそういうことなのだと思ったりします。
マンダラは最高ですね!マンダラだけでも終日飽きないかも(笑)。「石」好きにはもちろん、「石」に興味ない方々にも、出来るだけ体験してほしいと思うし、得も言われぬ面白さを共有したいと思っています。
ワールドカフェは、前回初めてでしたが、喋らないタチの私としては珍しく、かなり喋った気がします。簡単すぎるルールですが、実に効果的なものなのだと実感できました。
●別の40代男性のレポート
「ゲーム「30ドル」
いつものように言葉を売るゲームでしたが、今回「言葉を売るコツは?」との質問に、あまり深く考えない方が意外にも売れたと思ったのですが、でも実はそれが何故かよく分かっていなかったりと、まだまだ奥が深いゲームだなぁと思いました。ただ、ここ何回かやっているので常連参加の方への売り方がマンネリ化していたりもします。それでも売れなかったり売れたりするので、そこが面白い所なんですが。
・ワールドカフェ「自由について」
グループ・ディスカッションは、意外な視点を共有できていいですね。最後に村松さんの締め講義があって、今回の「自由」についても非常に分かりやすい概念ですーっと腑に落ちました。」
・マンダラ・ビギニングス
日本の伝統的な文化に特有の「見立て」を取り入れたプチ・アートなワークショップで、参加者それぞれの個性が出ていて面白かったです。これも意外な視点を感じられるので、私は好きなセッションです。いつものように全員で一つの作品に仕上げるのもアリですが、今回のように各々取り組むのもまたオツなものですね」