2009.09.14 Monday 11:06
昨日の質問をされた方からお返事がきました。
さっそく読んでみましょう。
***以下メール
狂気について質問した「**」です。
回答、ありがとうございます。
こんなに早くブログに載ったことについて驚きました。
一つ思ったのは、狂気についてです。「殺す」とまで行くのは、毎日のように思う、というのは語弊がありました。すいません。ただ毎日ではないですが、「時折」あります。それでもやはりまだ柔らかい感じかもしれません…。
>もし、あなたがお父さんを殺したとすると、人が一人なくなり、あなたの人生も台無しになり、お母さんや妹も不幸になります。しかし、そういう現実の重みも、心の圧力の前には何の重しにもならずに吹っ飛んでしまうことがあります。
そういったことは十分に分かっています。自分は妹にそんなバカなことで人生を失ってほしくないという思いが、最初から今までずっと思っているので、実際に殺すことはないと思います。
ただ実行しないのですが、思い、心の中で、出てくることはあります。
ちょっと表現が難しいですが…。
>あなたはこのメールでSOS を発しているのです。
その自覚がありますか?
無意識層ではあったと思います。あまり表面に出なかっただけですが。
自分の思いや、村松さんの考えが聞きたくて、メールしました。
今、言葉が返ってくると、意識層に入ってきています。
>あなたは自分がどれほど苦しかったのかを、これでもかとお父さんに見せつけてやりたいのでしょう。
しかし、お父さんはいつもそれをはねつけてきた。
だから、ますます激しく気持ちを叩きつけたくなる。
それが最初に言った「言葉のエネルギー」です。
今はそのエネルギーは鬼のような形相をしています。
でも、最初は「お父さん、わかって」という素朴な叫びだったでしょう。
それが封じ込められて、次第に恐ろしいエネルギーになったのです。
この表現に納得しました。すとんと入るというか。
ああ、自分は父親に分かってほしかったんだ。それが変化してしまったんだ、と。エネルギーの根本は理解してもらいたかったんだと。
確かに病気や不登校に理解を得たかった、と書きました。それが自分の恨みの根本であるということには気づきませんでした。
>あなたの場合、まずガス抜きをしなければいけません。
爆発しそうになっているものを緩和させなければ。
次に、原因を取り除くことですが、これは後回しです。
ガス抜きは時々しています。
圧を抜く、ということをブログや文章上達秘伝スクールで申されていたので、なんとなく意識はしていました。
母に話す、ということです。
ほとんど愚痴になってしまいますが、それでも聞いてくれます。
ただ母もやはり父に対して少し嫌な思いをしていたり、家族の心配をしていたりするので、あまり負担はかけたくないなという感じです。
ブログに返事が返ってきたことによって、客観視が少しできた気がします。
何かあったり、聞きたいことがあったら、またメールしたいと思います。
答えてくださって、本当にありがとうございました。
●村松コメント●
「わかってほしい」という言葉があなたの原点ですね。
そこが分かれ道になっています。
山で道に迷ったときに、正しい道との分岐まで戻ったほうがいいように、あなたもここまで戻らないといけません。
つまり、少年期の柔らかい心に。
もうお父さんに働きかける必要はないのです。
ただ自分の心の硬化した部分は戻してあげましょう。
さらに進むと戻れなくなります。
ジョン・レノンは、生まれた家庭がゴタゴタしていて、30歳のときに『マザー』という曲で、「ママ、行かないで、パパ、帰ってきて」と歌っています。
他の曲によく出てくる「Look at me!(僕を見て!)」というのも彼のキーワードです。
マザーを作ったとき、彼はプライマル・スクリーム(原初の叫び)という療法を受けていたといいます。
詳しく知りませんが、このような埋もれたキーワードを心の表面にだして来て、叫ぶことによって心を更新していく療法だと思われます。
ジョン・レノンは、痛々しく弱々しい自分を肯定することで、無垢で透明な独自の世界に入っていきました。
(私は楽曲は不純なビートルズの時代のほうが好きですが)
プライマル・セラピーは、いまネットで読むと3週間ほどかかるそうです。
そんな大げさな療法は、必ずしもする必要がありません。
ただいちばん元の言葉を忘れようと他の言葉で埋もれさせてしまうと、心は力を失います。
だから、その言葉まで戻ったほうがいいのです。
なぜかといえば、人の精神は何歳までも成長、成熟していくものだからです。
人の身体の成長は20歳前後で止まると言われていますが、それは、身長や骨格などおよその道具立てが決まるだけです。能や舞、武道などを研鑽していきますと、今度は身体の内部が開拓され、文化が形成されていきます(私はいうだけで、この点、からっきしダメですが)
精神も同様で、成長・成熟は何歳になっても止まることはありません。しかし、終わったと見限ってしまえば、そのあとは微々たる成長しかありません。
このことを理解していないで、20歳くらいでなんとなく成長が終わったような気になってしまうのはもったいないことです。
身体も心も、ある時点まではほうっておいても成長します。しかし、あるときから、自分が意識的に育てなければいけません。
孔子曰く
吾十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑はず。五十にして天命を知る。六十にして耳順ふ。七十にして心の欲する所に従いて、矩(のり)を踰(こ)えず。
天命を知る、自分の生まれてきた意味を悟った時期について、孔子にして五十歳だと言っています。
精神については、一生が一つのプロセスなんだと思ってください。
ずっと動いて生きて成長しています。
その生命力、成長力は無限大なのだから、小さなトゲを自慢にして(自分はこんなに傷ついたということを強調しないと気が澄まない人が多いのです)、その可能性やエネルギーをとめてしまってはいけません。
お母さんは話をきいてくれるのですね。あなたは妹のことを思っている。家庭の中にその優しさがあれば大丈夫です。
お父さんは置いといて、ご家族を大切にする気持ちが、あなたにエネルギーをくれるでしょう。
家族からもらうのではなく、家族にささやかな気持ちでも与えることを考えてください。
そうすると、いろいろなものが返ってきます。
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